麻といえば最近ではヘンプシードオイルや繊維製品などがよく知られるようになりましたが、日本では昔から人々の生活に取り入れられ親しまれてきたものでもあります。

茅葺屋根の下地になったり、お盆の迎え火や送り火に使われたのも麻でした。そんな麻を炭とした「麻炭」があることをご存知でしょうか?
今回は食用など多彩な使い途がある麻炭についてご紹介します。
麻炭とは?

麻炭とは麻(ヘンプ)の茎の皮を剥いだ茎の芯である麻殻(おがら)を焼いて作った、麻の炭のことです。麻殻となる茎の芯は空洞になってて茎の表面は繊維部分、表面と空洞の間には木質部があります。この木質部を乾燥させたものが麻殻です。麻殻は白くて軽く折れやすい性質があり、これを炭化させたものが黒い麻炭になるわけです。
国産麻「トチギシロ」から麻炭が作られる「野州(やしゅう)麻炭」がある

栃木県鹿沼市、足尾山麓周辺の野州地区にある野州麻工房「野州麻炭製炭所」では、トチギシロを種から栽培しています。そこで収穫された麻から、化学処理をしない職人さんの手による長い工程を経て麻炭を生産しており、これを野州麻炭と呼びます。今回紹介する麻炭だけでなく麻紙製品なども生産されています。
麻炭からできる食用・麻炭パウダーとは?

さてこうしてできた麻炭は花火の材料としても使われていますが、さらに細かく粉状になったものは実は食用や生活用品としても大活躍なんです。麻炭(ヘンプチャコール)パウダーとも呼ばれ、とくに食用として使うことでお腹の調子を整えるなどの体へのメリットが期待できます。
麻炭パウダーに見られる特徴として、細かい孔が空いた構造である多孔質性が挙げられます。その性質によって体の中の不要物や食品の添加物、体内に吸収分解できない物質などを吸着して、体の外に排出するサポートをしてくれて、いわゆるデトックスが期待できるわけです。
麻炭パウダーは無味無臭なので料理にも使いやすく、パウダー粒子も細かく飲み物にも入れて飲みやすいという特徴もあります。

料理にも使える!麻炭パウダーの色々な使いみち
麻炭パウダーは食用炭粉末なので、料理や生活用品として使うことができます。以下に色々な使いみちをご紹介しましょう。
粉類に混ぜる
・お菓子、クッキー、ケーキ、パンなどの生地に練り込む
飲み物などに入れて飲む
・水・お好みのミルク、スムージーなど好みの飲み物に混ぜる
料理で使う
・ご飯を炊くときに一緒に混ぜる
・サラダや料理に直接振りかける
・黒色の着色スパイスとしてカレーなどに混ぜる
・麻炭を入れた水で野菜を洗うことで農薬などの汚れを落とす
日常生活で使う
・歯磨き粉に少量混ぜる
・手作り石鹸などの材料に加える
・入浴剤としてお風呂にいれる
・家庭菜園に使用する
摂取目安としては一日小さじ1/3をおすすめしております。
とくに料理で使う場合はどのような食材であってもよく混ざるため使いやすく、自然な色で黒く着色できるのも嬉しいですね!麻炭は多孔質で吸着力も優れていることから腸内をすっきりさせるメリットがあります。
ただし成長期にあるお子さんが毎日たくさんの麻炭を摂取すると、成長に必要な栄養素も便として排出しやすくなる可能性もあるので注意が必要です。また麻炭パウダーの粒子は非常に細かいため開封時や取扱には注意しましょう。
栽培に農薬が不要といわれる麻からできる麻炭は食用や生活用品としても大活躍です。
自分の体や生活スタイルに合った方法で麻炭を利用してみるのもひとつの健康を保つための方法でしょう。健やかな体づくりにぜひ麻炭を毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?